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<日本シューマン協会>の発起人である若林健吉氏(1936−86)が著した名作《シューマン 愛と苦悩の生涯》が復刻されました。
本書は、19世紀ドイツロマン派の音楽を一身で牽引したローベルト・シューマンの生涯を、母親や最愛の妻となるクララとの手紙のやり取りなどをベースに丹念にわかりやすく、そして何より敬意と愛情をこめて描いています。1971年に新時代社より刊行された本書は、以後1993年までに12刷、さらに2003年までに新装版として3刷までと一度も途切れることなく版を重ねてきました。
しかし、出版業界を覆う不況などの影響下の昨今、版元の新時代社ではそれ以降の出版継続が困難となり、絶版状態で今日まで至っていました。そこで、2013年、氏を発起人として設立された<日本シューマン協会>が設立40周年を迎えるのを機会に、新たに出版社を探し、復刻版として再び世に出すことが可能となりました。
本文の内容には一切手を入れず、そのかわり巻頭にシューマン学者としてご活躍の前田昭雄氏(彼は若林氏の大学時代の朋友であり、在学中共に入野義郎氏に作曲を師事していた間柄でした)に『復刊を祝して』と題する文章を頂き、さらに若林氏亡き後も氏の遺志を受け継ぎ、<日本シューマン協会>を今日まで支えてこられたピアニストの若林(鶴田)和子さんによる『復刻版発行に寄せて』という文章でしめくくられています。また巻末の作品表も改訂しました。
「シューマン芸術の演奏も研究も、この半世紀の間に大きな変化を遂げました。事実探求の領域に限るなら確かに著しい進歩です。しかし芸術の場合、理解の深さは知識の量につきるものではありません。特にシューマンの場合にはその詩魂に対する心からの共感がなければ!」前田昭雄氏が正しく喝破したように、本書の魅力はそこにあります。
本書は全国の書店で取り扱っていますが、直接出版社および日本シューマン協会でも取り扱っております。
ふみくら書房:
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